蘭の肥料これを使ってはダメです。
蘭の肥料に画像のような
アンプルタイプの液体肥料をひっくり返して挿している人は居ませんか?
蘭のプロから言わせていただくと、
コレはダメ。コレだけは止めてください。
蘭用肥料って書いてあるし、
花が咲いている間与えるのにいいって書いてあるし
扱いも簡単そうだし、
安いし、、、
そんな声が聞こえてきそうですが、
でも蘭には向いていません。
蘭には向いていない理由
なぜなら、コレを使うと
かなりの確立でボトル型肥料を使うと蘭は根ぐされします。
このタイプの肥料を使っていたために
蘭の葉が黄色くなってきたり、
コンポストが痛んでいたり、
表面に塩類の粉が浮かんできていたり
根が真っ黒になっていたり、、、、
そんな症状が出ることがあります。
理にかなわない蘭用の肥料
蘭の水やりは「乾かす与えるをメリハリをつけて、与えるときはたっぷり水を与える。」
コレが基本です。
ところが、このタイプの液肥は、
ずーっとチョビチョビやりっぱなし。鉢の中は湿りっぱなし
蘭が痛む一番の原因
蘭の場合、湿りっぱなしの根は根痛みの原因になります。
特に開花中の長時間湿めりっぱなしは、根痛みの元ですご注意ください。
アンプルタイプの液肥、蘭に使えるとしたらごく限られた場面
蘭にこのタイプの肥料が使えるとしたら百歩譲って、
1:成長期の晩春や初夏などの
新芽が伸びている時期に水をザバザバかけながら使う、
おすすめしませんが、
2:ジゴペたラムのように新芽の成長と花の開花が同じ時期に起こっているような蘭に使う。
せいぜいこの程度です。
開花中の鉢植えの蘭に挿すだけで水やり不要なんて
蘭の生理を考えたらむちゃくちゃな説明です。
信じたらあきません。
過去にもいろいろな場面で何度も話しているのですが、
今回は肥料屋さんの営業妨害覚悟でハッキリ書きます。
蘭には向きません。
万が一、蘭に挿してあるなら、今すぐ抜く事をおすすめします。
液体肥料の詳しい話
液体のボトル肥料というのは、
上記の点で常に根が湿ってしまい乾くことがないがない
⇒根が腐りやすい
ということを書きましたが
蘭は、水をかけるように4000倍くらいの薄~い液肥を
メリハリをつけてあげるのならOKです。
植物は、水をもらいその水が根の細胞を通り抜ける際、
自分の体液より薄い液体なら吸いやすいのですが、
濃くなってくると逆に水分を吸えなくなってしまいます。
中学で習う半透膜の膨圧現象をイメージしてください。
薄い液体と濃い液体が膜を介して存在すると
同じ濃さになろうとして、水が濃いほうに流れ込むという現象です
蘭の場合ですと、
根の表面を介して
根の中のランの体液と
根の外のかけた水や液肥ということになります
根の外の液肥が濃ければ
液肥を吸うことができないですよね。
ボトル型の肥料をやり続けたとき、
鉢の中の根は
イメージとしては、
だんだん濃くなってくる塩水につけられた漬物になっているかんじかな(笑)
当然根が傷みます。
過去には蘭展やイベント会場、商談会、蘭教室などで
この害について話してきました。
ボトル差込み型の肥料を販売する業者さんに
適用植物から「蘭」を外すように意見をしたこともありますが
20年以上も経っているのに未だに蘭育て初心者の方の被害が後を絶たず
未だに「蘭用肥料」との書き方がされているのはすごく残念です。
蘭の肥料はこのようにやってください
ではどのように蘭に肥料をやるのがよいのか
1:蘭の鉢の縁に固形肥料を置き
水をかけたときだけ、解けた分が吸収されるようにする。
2:液体肥料を薄く溶き、水代わりに与える。
3:液体肥料を利用方法表示の濃さに溶き月に1回程度与える
このどれかだと思います。
蘭の栽培管理に慣れてくれば
1と2の併用が一番ですね。
まとめ
・ひっくり返して挿す液体肥料は、蘭には使わないほうがよい
・使っているならすぐにやめる。
肥料屋さんの反論があるのなら受けて立ちます。
この記事を読んで
「蘭が枯れた。」といって落ち込む人が少しでも減ることを望みます。